忍者ブログ
気の赴くまま、無理せずノンビリ。  風に吹かれて、できる事を背伸びせず・・・。                                                                  本とネットゲームと戯言と・・・。                                                                            ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※                                                                             読書感想には【かなり】内容に触れているものがあります。 未読の方はご注意を・・・・。
カレンダー
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
フリーエリア
sionの今読んでる本

sionさんの読書メーター
カテゴリー
ブログ内検索
プロフィール
HN:
  那智
性別:
非公開
職業:
  ないしょ
趣味:
  読書・PC・旅行等
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。



akutou.jpg【表4より】
しょぼい仕事で日々を暮らすお人好しの詐欺師コンビ、高杉と園部。
ひょんなことから切れ者の美人同業者とチームを組むはめになり、三人で一世一代の大仕事に挑戦する。
それは誰も傷つかない、とても人道的な犯罪計画だった。
準備万端、すべての仕掛けは順調のはずだったが・・・次から次にどんでん返しが!
息をつかせぬスピードとひねったプロット。
ユーモア・ミステリの傑作長編。


貫井徳郎さんは、実に久しぶりです。
慟哭」で嵌っていた時期がありました。
どんなものを読んだか、wikiで調べてみると・・・
慟哭・修羅の終わり・転生・迷宮遡行・神のふたつの貌・さよならの代わりに。 計6冊で今作が7冊目でした。

私は貫井さんというと、叙述倒錯ミステリってイメージがあるのです。
悪い言い方になるかもしれませんが、読者をだますことに非常に長けた作家さんのイメージです。
それと、ちょっと暗くて重いイメージもです・・・・。
そんなことで、しばらく間が空きました。

で、この「悪党たちは千里を走る」なのですが、びっくりしました。
これを書いたのが【あの貫井さん!?】
ちょっと違うかもしれませんが、私の大好きな映画「チ・ン・ピ・ラ」(柴田恭平さん・ジョニー大倉さんの方です)を連想する、憎めない小悪党たちの軽妙なコメディタッチの作品でした。

表4には、【次から次にどんでん返し】・【ひねったプロット】って書いてあったので、いつもの倒錯ミステリかな?とちょっと警戒しましたが、そんな事はなかったですね。
ちょっと利口すぎる子ども・巧クンは、やりすぎなのかもしれませんが、まぁこの内容の本なら良いでしょう。
でも、こんな生意気なガキがいたらイヤだな~w

楽しく読める1冊です。

★★★★★
集英社文庫 H20.09.25

PR


romance.jpg【表4より】
あかりは海外ロマンス小説の翻訳を生業とする、28歳の独身女性。
ボーイフレンドの神名と半同棲中だ。
中世騎士と女領主の恋物語の翻訳を依頼されたところへ、会社を突然辞めた神名が帰宅する。
困惑するあかりは、思わず自分のささくれ立つ気持ちをぶつけてしまう。
現実は小説に、小説は現実に、どんどん創作される2つの物語はやがてとんでもない展開に!
三浦しをんが書き下ろす新感覚恋愛小説。


最近のマイブームの三浦しをんさんです。
4冊目になるのですが、三浦さんって脚本家に向いているんじゃないかな?なんて思っています。
まほろ駅前多田便利軒」とかそうですし、この「恋愛小説の七日間」などは、現在東京では「マイガール」を放送している、金曜テレ朝の深夜ドラマなんか、すっごく合いそう。
この金曜テレ朝深夜ドラマ、好きなんですよね~

この小説は私の読んだ三浦さんの中では、初めての女性が主役の本です。
翻訳家のあかりの生活と、翻訳している本の内容が交互に書かれているのですが、特に何ってことのない本と思いました(三浦さん、ゴメンなさい)。
感受性の鈍い私としては、ここから何かを感じたということは無いのです。。。。

弁解のようになりますが、でもこの本好きです。
肩肘張らないで、面白おかしく、楽しく読める本です。

まぁ、よくある恋愛&どこにでもいそうな女性を描いています。
三浦さんの小説は、登場人物が楽しいのです。
便利軒の多田・行天もそうですし、この本のあかり&神名&あかりの父も。
そして、暖かく優しいのです。
そういった意味で、読んでいるときも、読み終わった時も、ほんわかします。

以前の三浦さんの本の感想で、「少女マンガ」と書きましたが、この本の翻訳しているロマンス小説部分なんてまさしくって感じです。
あかりの心理を反映して、翻訳は脱線し、王女のロマンスの相手を殺してしまう、そんな「あかり」はステキです。

そういえば、ロマンス小説って読んだことないな~。

また、言います。
この本はどうってことないです。
でも、楽しいです。

★★★★★
角川文庫 H1511.25

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
まずい、感想未掲載がたまってきてる・・・。
「白いへび眠る島」
「悪党たちは千里を走る」
「九月の恋と出会うまで」

○FFT・・・アトリエ再開♪
  やっと【謎かけ】半分くらい・・・・。   

 



mukasinohanasi.jpg【表4より】
三ヶ月後に隕石がぶつかって地球が滅亡し、抽選で選ばれた人だけが脱出ロケットに乗れると決まったとき、人はヤケになって暴行や殺人に走るだろうか。
それともモモちゃんのように「死ぬことは、生まれたときから決まってたじゃないか」と諦観できるだろうか。
今「昔話」が生まれるとしたら、をテーマに直木賞作家が描く衝撃の本格小説集!!


っと、ちょっと前に似たテーマの本を読みましたね。
伊坂幸太郎さんの「終末のフール」。
特に同テーマを狙ったわけでは無いんです。
私の中でプチ「三浦しをん」ブームなだけで、たまたまテーマが同じだっただけです。
でも、別の作家さんがどう捕らえて、どう表現されるのか大変分かり易く面白かったです。

この本は7つの連作小説で構成されています。
各編の編扉の裏には「かぐや姫」・「花咲か爺」・「天女の羽衣」・「浦島太郎」・「鉢かつぎ」・「猿嫁入り」・「モモ太郎」の粗筋が書かれています。
始めのうちは、隕石の話は出てこず、それぞれの昔話は【似た話】なのかな?と思って読んでいました。
それが読みすすめるうちに、本編は「むかしのはなし」としてロケットに乗れた人々が語った話だったということが理解できてきました。

なかなか面白い構成です。
誰もが知っている「昔話」にリンクさせて、地球から逃れてきた人々が語る「むかしのはなし」
それが地球を離れ新しい居場所を求めた人々が語り始めた「昔話」となっていくとのこと。
いや~。 作り方が上手いな~!と感じました。

で、その昔話の内容ですが、最後の1編を除いて、ちょっとピンと来るものが無かったです。。。
そろぞれのお話は、それなりに面白いんですがね~。
何が物足りなかったのかな~??

終末のフール」と比較してみると・・・・・・・・
どちらも終末を控えているのですが、淡々としています。
ただ、「終末のフール」は混乱を乗り越えた後の淡々さというのでしょうか、終末を意識した中であえて、淡々と生きることを選んだ人々を描いているのに対して、「むかしのはなし」は「終末がくる? そんなの知らない」感があるのです。
私にはそう感じるってことですが。

「そんなの知らない」となった場合、この本の設定は無くても良いことになり、ただ現代版昔話に過ぎなくなってしまう気がします。
私にとってはこの本は、そういう意味でちょっとマイナスだったかな~?

でも三浦しをんさんの文章が好きなことに変わりはありませんから、これからも読み続けさせて頂きま~す。

さて、私はこうなったらどう行動するかなと考えました。
地球に残って地球と一緒に滅びるか、ロケットに乗り木星なり新世界を求め旅立つか。
ロケットに何年・何十年と乗りロケットの中で寿命を全うし、新たな人類の基礎を築く礎となるか。
頭の中の声は「気球に残れ」と叫んでいます。

★★★★★
幻冬舎文庫 H20.2.20


getugyo.jpg【表4より】
古書店『無窮堂』の若き当主、真志喜とその友人で同じ業界に身を置く瀬名垣。
二人は幼い頃から、密かな罪の意識をずっと共有してきた──。
瀬名垣の父親は「せどり屋」とよばれる古書界の嫌われ者だったが、その才能を見抜いた真志喜の祖父に目をかけられたことで、幼い二人は兄弟のように育ったのだ。
しかし、ある夏の午後起きた事件によって、二人の関係は大きく変わっていき・・・。
透明な硝子の文体に包まれた濃密な感情。
月光の中で一瞬見せる、魚の跳躍のようなきらめきを映した物語。


直木賞受賞作「まほろ駅前多田便利軒」を読み大変興味を持ち始めた三浦しをんさん。
この作品もそうですが、三浦さんの文章はとっても好きです
表現が美しく(心情・情景とも)、テンポもよく心に染み入るような文章です。

この「月魚」の主要人物、真志喜・瀬名垣ですが、「まほろ駅前多田便利軒」の多田・行天の関係に似ています。
二人の会話の様子、根底に流れる同姓の友情(?)といったものが似通っています。
取りようによっては、心情的(肉体を伴わない)ホモセクシュアルというのでしょうか、ホモソーシャルと言ったほうが合っているのでしょうか?
特に主人公に密接に関係する人物(瀬名垣・行天)にこの特徴が見られます。
この文庫には、真志喜・瀬名垣を取り囲んだ別の時代の短編が収録されているのですが、こちらもそーいう系統があります。
そーいう系統というより、美少年を描く少女の見たカッコイイ男性を描く少女漫画なのかな~?
とも思いました。
でもね、三浦さんのそういうトコ好きですw

三浦さんはこのようなテーマを主に書かれているのでしょうか?
まだ、2冊目なのでそのあたりは、今後に。

北森鴻さんの民俗学・骨董業界もそうなのですが、自分の良く知らない専門的な世界(ここでは古書)というのは、非常に知的好奇心をくすぐられるものです。

っと、ストーリーを全く書いていませんでした
ということで、簡単に。

真志喜は名門の老舗古書店の三代目。
瀬名垣は真志喜の幼馴染で、店舗を持たず古書を流通させる「せどり屋」を父に持つ。
業界の中では異端児として蔑まれていた「せどり屋」の息子であったが、真志喜の祖父は佐奈垣に古書界の才能を見ていた。
二人が幼い時、瀬名垣は真志喜の父が廃棄処分にするため、結束してある本の中に、幻の古書を発見する。
そのことにより、瀬名垣の父は自分の才能の無さに打ちひしがれ出奔してしまう。
瀬名垣はこの事件により、真志喜に責任と負い目を感じ二人の航海が始まる。

ざっと書くとこういうことでしょうか。
瀬名垣は、この負い目があることにより「真志喜を守る」という名目を立て、真志喜に寄り添う言い訳にしているように感じるところもあり、また真志喜も同様に感じます。

やっぱり、少女漫画の世界なんでしょうかね~?
まぁ面白かったので全ておっけーです。

暗示的に出てくる、池の主と月。
とっても神秘的で美しい図でした。

★★★★★
角川文庫 H16.5.25
 



meihusin.jpg【表4より】
脳死臨調でリーダー的存在であった帝都大学医学部教授の吉井が刺殺された!
かつて吉井の部下だった医療ライターの相馬は、やはり研究室を去った元同僚を追う。
その男、九条は新宿のホームレス街にいた。
不思議な能力を持つ少女、トウトとともに・・・・・。
九条と殺人事件との関係は?
また、彼が行った禁断の実験とは?
深い余韻を残す医療ミステリーの傑作!


実はこの本、「狂乱廿四考」(実は未読)に続くかなり初期の北森作品なのですが、いままで手に取り「どうしようか?」と迷っていた本なのですが、今回新装版ということで、読む決心をした訳です。
北森作品は、陶子・那智の2シリーズのイメージが強くて、またそれがツボに嵌っているため、別系統の作品に二の足を踏んでいたのです。
狂乱廿四考」もそうなのですが。
医療ミステリー自体初めてなわけで、どうも医療ミステリーは権力闘争とかドロドロしたイメージが・・・。

で、どうだったかというと、大変面白かったです~♪
脳死問題という、現時点ではかなりタームリーな問題を取り上げ、また読者のミスリードを誘う系列のミステリーではなく(北森作品は、叙述ミステリーが殆どないのがステキ)、医療界など全く無知な私にも読みこなすことが出来ました。

脳にメスを入れたと思われる不思議少女の神がかりとか、製薬会社の思惑とか、相馬と九条と吉井の苦悩とか・・・。

①一人称の死(私の死)
②二人称の死(あなたの死)
③三人称の死(誰かの死)

非常にデリケートな問題のため、軽率に意見など書くことは出来ませんが、脳死問題を扱うこの作品の中で著者は、吉井・相馬・九条、そして脳死臨調の理事の心の動きを見事に表現しています。
「一人称の死」・「三人称の死」に対しては冷静に判断し脳死判断基準を、それぞれの立場で主張させています。

それが果たして「あなたの死」となったとき・・・・・・。
それぞれの立場の人物が「あなたの死」に直面したとき、脳死判断基準はどう揺れ動くのか?
「あなたの死」に直面し錯綜した立場を書いたミステリーです。

あまりにも誠実で、まっすぐなゆえに、壊れてしまったかに思える九条。
でも、とってもステキ
これも北森作品の良質なミステリーでした。

★★★★
光文社文庫 H20.11.20(新装)
         H11.5
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


忍者ブログ [PR]