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気の赴くまま、無理せずノンビリ。  風に吹かれて、できる事を背伸びせず・・・。                                                                  本とネットゲームと戯言と・・・。                                                                            ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※                                                                             読書感想には【かなり】内容に触れているものがあります。 未読の方はご注意を・・・・。
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ushinawaretamati.jpg【表4より】
ある日、突然にひとつの町から住民が消失した──三十年ごとに起きるといわれる、町の「消滅」。
不可解なこの現象は、悲しみを察知してさらにその範囲を広げていく。
そのため、人々は悲しむことを禁じられ、失われた町の痕跡は国家によって抹消されていった……。
残された者たちは何を想って「今」を生きるのか。
消滅という理不尽な悲劇の中でも、決して失われることのない希望を描く傑作長編。


しばらく更新していない間に、年が明けてしまいました。
2010年、明けましておめでとうございます。
更新を怠っていたわけでは無いのです。
この本にてこずっていました。
この本はページ数(500頁超)もそうなのですが、なかなか難解で・・・。

難解っていうのもちょっと違うのかな?
文章は難しくないし、設定に馴染めなかったというのが正確かもしれません。
結局その馴染めなさは最後まで引きずってしまって、本の中に入っていけませんでした。
・・・、設定に馴染めないというのも違う気がしてきました、設定が煩雑に入り組んでいて、私の脳の許容量を超えてしまってたのかもしれません・・・。

と、気を取り直してと。
【表4】にあるとおりこの小説の世界では、三十年に一度一つの行政単位で町が突然消滅してしまうのです。
そしてその消滅にかかわる人たちの物語が、連作集の形で書き進められていきます。
消滅により、愛する人たちを失った、悲しむことさえ許されない人々の悲しみ。
そして、そこから立ち上がっていく希望と優しさ。
消滅の原因を解明し、消滅を防ごうと戦う人々。
と、
ここまでにしていただきたかったと思います。

ひとつひとつは、結構ホロリときたり、良いお話も多いんです。
ただ、難解な設定が上記のほかに沢山出てきます。

難解な部分
①分離体のお話・・・・多重人格ってありますよね。この小説世界では、多重人格はその治療として、精神を分離し本体・別体と呼ばれる別の肉体を持つ別個体に分ける事が出来る。
②西域の存在・・・・・この小説世界の日本(?)には西域と呼ばれる地域があり、その言語・習俗の相違。これは聖域にかけてあるのか?
③時系列のハチャメチャぶり
④呼称の不統一

この難解な①・②がほとんど何の前触れもなく、いきなり飛び出してきます。
①にしても②にしても魅力的な設定なのですが、それがいきなり飛び出してきて、読者には「そんなものなのか」を押し付けてきます。
納得しないと、先に進めないのです。
③は他の方も良く使われるのですが、それは叙述ミステリーの中で時間の錯誤を狙ってのもの。この小説では不要では?と感じてしまいます。
④章によって、章の主人公の呼称が変わります。
茜の章では「茜」と記述されますが、桂子の章では「桂子さん」・「桂子」と2種類出てきます???
これが結構気になるのです。

③・④も何か理由があるのでしょうけど、私の脳細胞では解読できませんでした・・・。
①と②に関しては、それぞれの設定で、このお話ではなく別の1冊の本にしたら、面白いんじゃないかな?と感じました。
とにかく、盛り込みすぎ感が・・・・。

町の消滅・分離体・西域といった、難解な設定部分に関しては、難解な言語で誤魔化している感が拭えません。
もともと、そんな世界に住んでいるわけでない私は、異なる設定の世界で使われている言語で説明されても、理解する事が出来ないのです。
日本語のような外国語で説明されている気がします。

ひとつひとつは、悪くないんです・・・・。
私としては、「もったいないな~」という感想でした。

最後の章の最後の文章が「一筋の光すら差し込もうとはしなかった。」ってのはどうなのかな・・・・。

あ゛~、読むのに苦労した~!
でも、一つじゃないw

★★★★★
新潮文庫 H21.11.25

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