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気の赴くまま、無理せずノンビリ。  風に吹かれて、できる事を背伸びせず・・・。                                                                  本とネットゲームと戯言と・・・。                                                                            ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※                                                                             読書感想には【かなり】内容に触れているものがあります。 未読の方はご注意を・・・・。
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正直、わけ判んない! 消化不良~

さて、今日は1Q84の本編。
この最新の村上春樹さんですが、いままでの村上春樹さんとちょっと変化がみられます。

まず、一番最初に気がつくのが、これまでのほとんどの作品は一人称(「ぼく」)で語られていますが、1Q84にでは三人称で二人の主要人物(青豆・天吾)の章が交互に書かれています。
次に村上春樹さんといえば、ちょっとくどいくらいの比喩的表現を書かれていた印象があるのですが、今作はその部分がかなりすっきりした感があります。
それを【すっきり】と取るか【文学的でなくなった】と取るかは分かれるところかも知れませんが、私としては読みやすくなった気がします。
そして、これまでも結構あったことですが、性的描写がかなり頻繁にそして激しくなったような気がします。
今作においては、宗教も取り上げているので、そのあたりも関係するのかな?とは思いますが、文学的精神性と性描写の関係は前作までのくらいにして欲しかった。

で、内容です。
本書は「なるべく先入観なしに読んで欲しい」というウソかホントか判らない理由から、新潮社内でも限られた人しか先行情報がなかったとうい書籍ですが、これだけの部数が既に発行されていますし、やっぱり書いてしまいます。

<大前提の設定>
本書は青豆と天吾というアラ30の小学校時代の同級生二人の章が交互に展開されます。
青豆は証人会(これはエホバの証人?)の信者の家に生まれ、生まれながらに入信されられた女の子。
天吾はNHKの集金人の父親に育てられ、休みの日は友だちと遊ぶことができず父親と集金に出かける父子家庭の男の子。
二人は青豆の転校で5年生の時に別れるが、ふたりともその生活がイヤで早くに独立します。
天吾は青豆に一度だけ手を握られ、そのインパクトが30歳になっても強く印象に残っている。

さて、大人になった二人。
最初の章で青豆がちょっと不思議な運転手のちょっと不思議なタクシーに乗り(いるかホテルの博物館が浮かんでしまいました・・・)、大渋滞の首都高速の非常階段を降りるシーンから始まります。
どうやらこの時、1984年は1Q84年に転換されたようです。
そして必殺仕事人的手法で青豆は、ドメスティックバイオレンスを行う男を殺害します。
青豆はスポーツインストラクターをしながら、ある老婦人と出会い必殺仕事人になっています・・・・・。

天吾は予備校で数学を教えながら、小説家を目指す。
そんなとき、ある文学賞に応募していた作品の中から「ふかえり」と名乗る少女の「空気さなぎ」という作品に出会い、その内容とは裏腹な稚拙な文章力を補佐するため「空気さなぎ」のリライトを行います。
ところが「空気さなぎ」には隠された真実が・・・・。

ん・・・・・、ミステリィーみたいです。
ま、ストーリーはこんな感じ?なのですがこの本は何を言いたかったのでしょうか?
エホバの証人・オウム真理教・ヤマギシ会を彷彿とさせる宗教・団体が出てきます。
村上春樹さんはオウム真理教の取材をかなりされていましたよね?

青豆が冒頭、タクシーの運転手から「ものごとの見かけにとらわれないように、一面からだけで判断しないように」というような暗示的な言葉をかけられます。
そして宗教団体「さきがけ」の主宰を殺害するシーンでの教祖の言葉。
かなりの説得力と破壊力がありました。

カルト団体が出てくるのであれば、それを糾弾するのかな?と思っていたのですが、それとも少し違う?
猫の街はまだ良しとして
リトルピープルの意味するものは?
そして、青豆は最後に自殺しちゃったの?
だって「ふかえり」は巡りあうって言ってたのに?

相変わらずの、村上ワールドでした・・・・。
さて、あっちこっちで話題になっているようですが、やはり皆さんすっきりされていないようで、続編があるのでは?という話を良く目にします。
どうなんでしょうか?
私も期待はしています。
羊三部作のように、三作目の「羊をめぐる冒険」で羊男ってなんなんだろ?って言うのが私なりに理解できたようにリトルピープルが私にも判るようになると良いと思います。
暫くしたら読み返してみます。
すこし判るようになるかな?

でも、「ノルウェイの森」のラストシーンも確か、僕って誰? ここはどこ?って感じの終り方だったと思います。
あれも私としては消化不良でした。
子ども時代のトラウマをt前提にするのは確かに小説にしやすいと思います。
ただ、最近このテーマのいわゆる【文学】が氾濫しすぎているような気がします。
ちょっと安易に感じてしまいます。

それにしても今回も出てきました。
「ぼくはどこにも繋がっていない」・・・・・・・・・・・・
やはり村上春樹だ~!
やはり喪失村上だ~。
でも今作は喪失から再生へのつもりなのかな?
そこのところも良く分かりませんでした。。。

下巻ですが、天吾クン。
もっと頑張ってよ~。
あなた動かなすぎっ!

★★★(評価つけにくい・・・)
新潮社 H21



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1Q84_1.jpg1Q84_2.jpg









話題のこの本です。
6/14発売のこの本、7/8現在で上下巻合計200万部(上巻110万部・下巻90万部)だそうです・・・・。
予想されていた訳ですが凄い勢いですね。
私もなかなか購入できませんでした。

1巻1900円で幾らの売上になるんだろう?なんて計算しちゃいました
でも、書籍の価格って安いですよね。
他の娯楽と比較して、上製本でこの価格は私としては安いと感じます。
まぁ、倍とかになるとなかなか買えませんけどね・・・。

ちょっとミリオンセラーのデータを調べました。
小説部門
1.世界の中心で、愛を叫ぶ  片山恭一  321万部
2.ノルウェイの森(上)      村上春樹  238万部
3.日本沈没             小松左京  204万部

小説以外の部門では、
窓際のトットちゃん 黒柳徹子   750万部
五体不満足     乙武洋匡   550万部
家庭の医学     小林太刀夫 435万部
バカの壁       養老孟司    415万部

とまだまだ凄いものがあります。
小説部門1位ってセカチューだったんだ・・・・。 知らなかった・・・。
読んでないし・・・。

さて、本題ですが
面白かったよ。
ぐいぐい読者を引っ張りこむ村上さんの文章の力は相変わらずだったし。
この本が村上春樹さんの著書でなかったら、文句ないのですが・・・・。ってとこでしょうか。

う~ん、今日は前フリが長くなってしまったので、続きは明日~。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
○FFT
賑わっていますね~
月さんも今のところは頑張ってますし。 続けて欲しいものです
それにしても、「幼稚園かっ!」と言いたくなる。
「せんせ~、早く出てこないと大変だよ~」
 



sputnik.jpg【表4より】
22歳の春にすみれは生まれて初めて恋に落ちた。
広大な平原をまっすぐ突き進む竜巻のような激しい恋だった。
それは行く手のかたちのあるものを残らずなぎ倒し、片端から空に巻き上げ、理不尽に引きちぎり、完膚なきまでに叩きつぶした。
・・・・・・そんなとても奇妙な、この世のものとは思えないラブ・ストーリー!!




表4を読んだのに・・・・・、またやってしまいました。
今回の失敗は、前回の失敗とは違って、よくやる失敗です。
一度読んでました! はい・・・・。
大体において、村上春樹さんの長編は、文庫になったらすぐ読んでいるはずなのに・・・。
ま、良く内容を覚えていなかったので、良しとします。

で、感想です。
なんで、覚えていなかったのでしょう?
かなり良かったです。
村上作品の例によって、非常に比喩的表現の多い、全てを理解しようとすると、非常に苦労する作品でしたが、もともと村上春樹さんの、こうした表現は好きですし。

またまた、こうした表現が出てきます。
「しかしそれでもやはり根本的な疑問は残る。ぼくとはなにか?ぼくは何を求めて、どこにいこうとしているのか?」
「ひとたび失われてしまえば、その炎は永遠に取り戻せない。ぼくが失ったのはすみれだけではなかった。彼女といっしょに、ぼくはその貴重な炎まで見失ってしまったのだ。」

・・・・、またです・・・・・。
また、喪失の物語なのだ!
羊三部作である、「風の歌を聴け」・「1973年のピンボール」・「羊をめぐる冒険」
そして、「ノルウェイの森」・「ダンス・ダンス・ダンス」と。
私のイメージで村上春樹さんは、喪失の作家なのです。

「僕って、私って何?」
「そして、僕はどこにも属さず、どこにも行けない」
これが、村上春樹さんのイメージです。

その他、私が読んだ村上作品(「国境の南、太陽の西」・「ねじまき鳥クロニクル」・「海辺のカフカ」)なども、イメージ的には似たような感がします。

こんなに失い続けている村上春樹さんですが、好きなのです。
物事を考えたい時に読むと結構きます
結構、考えられるのです。
もちろん本の内容とは別の、私の身の回りのことについてですけど、結構役に立つのです。

喪失、喪失と書きましたが、本書「スプートニクの恋人」は、ハッピーエンドです。
「もうとくに急ぐ必要はないのだ。ぼくには準備ができている。ぼくはどこにでも行くことができる。」
と、終わります。

ただし、最後の3ページでですけどw
と、いうわけで、結局この物語もイメージに残るのは喪失です。
「ぼくとすみれとミュウの喪失の物語」として記憶に残りそうです。
 



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