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【表4より】
古物・骨董品を専門に扱う旗師・冬狐堂こと宇佐美陶子は、銀座の画廊で見たタペストリーに魅せられ、現金で全作品を買う約束をする。
しかし作者は死に、作品は消えていた・・・・・・。
騙しあいと駆け引きの骨董業界を行き抜く美貌の一匹狼を描く古美術ミステリー。
表題作他「陶鬼」「『永久笑み』の少女」「奇縁円空」の三編を収録。
冬狐堂シリーズです。
冬狐堂シリーズでは始めて読む短編です。
本来短編集はあまりスキではなかったのですが、蓮丈シリーズで短編にも目が向くようになりました。
て、ことで第3弾!
陶鬼 ★★★★★
陶子の古い知り合いの骨董業者・弦海が名器秋霜を割り自殺を遂げる。
弦海の自殺の真相を陶子が追う。
ってことです。
人間国宝に指定された久賀秋霜の名器を何故、弦海は割ったのか?
事件は割ったことの謝罪としての自殺と位置づけられますが、そこに隠された真実。
ちょっと切ないような秋霜と弦海の思いと過去。
そこに絡んでくる一人の女性。
なかなか読み応えがあります。
『永久笑み』の少女 ★★★★★
ちょっと変わった始まり方をします。
陶子がある作家にファンレターを書くという出だしだす。
はい。 罠ですね~ww
ちょっと印象が薄いです・・・・。
描写は美しかったですね~。
古墳から出土した埴輪を預けられ(堀師と呼ばれる盗掘(?)者から)、その埴輪に潜む謎を追う。ってとこかな?
緋友禅 ★★★★★
内容は表4に若干書いてありますが、その後届かない品物を確認するため訪ねた作者の部屋で、タペストリー作者は死んでいた・・・・。
その陶子が買い取ったはずのタペストリーは、友禅染として別の者によって発表された。
この染め技法は、高度な技法を再現したもので、この技法はかなり興味深く書かれていました。
ただ、この作品では死んだ元作者は事故死です。
殺人の犯人を追跡するという内容ではありません。
友禅染として発表したものが盗んだものは、名声です。
奇縁円空 ★★★★★
これは大好きな作品です♪
生涯で12万体の仏像を彫ったとされる円空についての考察が面白い。
円空の生涯は64年だったそうです。
単純に64で割ったとして、年間1875体。 一日5体強
可能なのでしょうか?
ということから、
陶子は円空複数説(円空は個人名ではなく造仏集団であったという考察をします。
それは一級の真贋判定の目を持つ専門家すら判断が出来ないような贋作を再現する人物が、現代に蘇ったことで加速する。
面白かったです♪
短編集全体 ★★★★★
文春文庫 H18.1.10
面白かった~
でもね~、やっぱ陶子シリーズと蓮丈シリーズは、長編で読みたいのです。
それだけ深く突っ込まないと書けない内容ですから大変だと思いますが、期待でっす。