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気の赴くまま、無理せずノンビリ。  風に吹かれて、できる事を背伸びせず・・・。                                                                  本とネットゲームと戯言と・・・。                                                                            ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※                                                                             読書感想には【かなり】内容に触れているものがあります。 未読の方はご注意を・・・・。
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hananomoto.jpg【表4より】
年老いた俳人・片岡草魚が、自分の部屋でひっそりと死んだ。
その窓辺に咲いた季節lはずれの桜が、さらなる事件の真相を語る表題作を始め、気の利いたビアバー『香菜里屋』のマスター・工藤が謎と人生の悲哀を解き明かす全六編の連作ミステリー。
第52回日本推理作家協会賞短編および連作短編集部門受賞作。
 

はい。 北森鴻さん、嵌っております。
今回は、陶子シリーズ・蓮丈那智シリーズに続いて、香菜里屋シリーズです。

まずこの短編集の表題になっている、「花の下にて春死なむ」ですが、ご存知の方が多いとおもいますが、西行法師の有名な歌
願わくは 花の下にて春死なむ そのきさらぎの望月のころ
からきているわけです。

わたしもこの歌に関しては、聞いたことがある程度でしたので少し調べてみました。
西行が死を前にして歌ったものと思っていたのですが、どうやら少し違うようですね・・・・。
おそらく60を越え、遠くない自分の死を見つめ、このような情景を希求し表現されたようです。

さて、西行の当時、花といえば桜ではなく、梅なのでは?
この表題とカバーの絵はなんじゃろ?と、漠然と思っていましたが、調べると私の知識の浅さを思い知りました。
西行が亡くなられたのは、1190年だそうです。
イイクニ作ろう鎌倉幕府ですから・・・・。
平安末期になるわけですね。
宮中南庭の梅が桜に植え替えられたのが、遅くとも961年だそうです。
したがって、この西行の花=桜で良いわけですね~。

如月の望月の頃・・・・如月だから2月・・・・旧暦だから桜でいいのかな?と思っていたわけですが解決しました。
望月とは満月のこと。
2月の満月ということで、如月の望月の頃=2/15頃
2/15といえば、涅槃会(釈尊が涅槃に入られた日=亡くなられた日)
西行法師が亡くなられたのが2/16だそうです。
もちろん全て旧暦です。
いや~、勉強になった♪

・・・・・・・・、やたら前フリが長くなってしまいました。
さて、本編についてです。

花の下にて春死なむ ★★★★
ある事件をきっかけに、故郷山口・長府を離れ、名を捨て戸籍を持たない男・片岡草魚の悲しい物語です。
自由律の結社を通じ心を通わせた飯島七緒は、故郷に思いを馳せ、しかし帰ることの出来ない草魚の死後、草魚の故郷を探し、その身体に入っていた骨折をつなぐ器具を故郷に返そうとする。
その中で知った草魚の悲しい過去・・・。
家族写真 ★★★★
地下鉄の構内の無料貸し出し文庫から見つかった家族写真。その真意は?
むむむ・・・・・・、これは・・・・・・・・・。
終の棲家 ★★★★★
多摩川の河川敷を終の棲家とした老夫婦と、その写真で脚光を浴びた写真家の交流。
殺人者の赤い手 ★★★★★
都市伝説? ホラー? 警官が殺人者?
なんだ! この結末は!
七皿は多すぎる ★★★★
回転寿司でマグロばかり7皿も食べる男の行動の謎解きww
だめだよ・・・・、こんなの収録しちゃ・・・・。
魚の交わり ★★★★★
「花の下にて春死なむ」の番外編。
悲しい男・草魚と、悲しい車椅子の女の悲しい物語。

以上の6編からなる短編集です。
全ての物語に三軒茶屋のビアバー香菜里屋のマスター工藤が謎解きに絡んできます。
マスター、そんなに簡単になんで分かるの?って部分は有りますが、私はミステリーの謎解き部分にはあまり拘らないので良しですww
このシリーズの良いところはそこじゃないですもんね。

工藤の作る料理、食べた~い

短編集全体★★★★★
講談社文庫 H13.12.15
 

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