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【表4】より
東京は下町の片隅にある骨董品屋・雅蘭堂。
店主の越名集治は実は相当の目利きなのだが、商売はそれほど上手くない。
おかげでいつも開店休業状態。
それでも、ひとたび人々の記憶や思いのこもった骨董品をめぐって事件が起きると、抜群の鑑定眼と推理力で謎に挑む。
ベトナム・ジッポー、鉱物標本の孔雀石、江戸切子──様々なモノと謎が今日も雅蘭堂を訪れる・・・・。
傑作ミステリ連作集。
冬の狐シリーズでも、時々登場する雅蘭堂・越名集治のお話です。
越名集治は冬の狐・陶子の数少ない、同業界での理解者です。
冬の狐・蓮丈那智シリーズとはちょっと趣がかわっているのかな?
こちらの骨董ミステリーの方が、軽いです。
蓮丈シリーズで、息抜き的存在として活躍する内藤クンを連想してしまう押しかけアルバイターの女子高生・安積(あつみ)。
ノー天気で機関銃のような安積と、越名の漫才やり取り。
これが小説にテンポを与えています。
この雅蘭堂のお話がシリーズ物となるなら、ノー天気でありながらどこか鋭い安積が良きパートナーになっていくんだろうな~(内藤クンのように)
で、この短編集。
①ベトナム ジッポー・1967 ★★★★★
②ジャンクカメラ・キッズ ★★★★★
③古久谷焼幻化 ★★★★★
④孔雀狂想曲 ★★★★★
⑤キリコ・キリコ ★★★★★
⑥幻・風景 ★★★★★
⑦根付け供養 ★★★★★
⑧人形転生 ★★★★★
の8編を収録します。
一番好きな「根付け供養」について
この短編が一番これまでの北森さんの骨董ミステリーと書き方が近い気がします。
冬の狐シリーズを彷彿とさせられました。
根付細工とは、江戸期に流行した緻密な細工で、煙草入れ・印籠などのストラップです。
用途はストラップなので、帯などに挟み込みつるして持ち運ぶために付けられた物。
そこに緻密な彫り物を施した江戸期のものは、粋な芸術として現在マニアに珍重されているらしいです。
江戸期のものだから価値がある。
現代作家のものは、どれだけ優秀であってもそれほど価値が付かないらしいです。
そこで、現代の根付工芸家が古色を付けた根付を、江戸期の新たに発見された工芸家の作品として世に出すわけです。
この偽江戸根付工芸家の作品はある蒐集家によって、独占的にコレクションされます。
そのコレクターと越名はつながりがあり、偽新作が出るたび越名のもとにその根付を見せにきます。
そのうち、最高傑作が持ち込まれるのですが、安積が破壊してしまいます!
価値としては300万。
通常、預かり物を壊した場合は価格の3倍返しだそうです。
しかし、越名はこの最高傑作に潜む不自然なところに気づきます。
そしてこの偽根付工芸家は江戸期の作家ではないことに気が付きます。
しかし、気づいての上で、蒐集家に3倍返しを持ち込み、その上で不自然さを指摘していきます。
うん、カッコイイです。
しかし、もっとカッコイイ人物が存在しました。
蒐集家です。
彼は、工芸家の不自然さは判っていたのです。
その上で、優れた技術を持つ工芸家と、また、越名の眼を育てることを目的に全て判った上で、蒐集していたというオチです。
うん。
面白かった!
★★★★★
集英社文庫 H17.01.25
乞うシリーズ化!
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○FFT
予想通りの再開延期~ww
次の予定は5/15だそうです。
だいぶ忙しさは落ち着いてきたので、いつでもおっけ~
4/25、ホントに再開されそうで焦りました。
まだ、名前が・・・・。