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【表4】より
銀座の花師・佐月恭一のもう一つの顔は絵画修復師。
大正末期に活躍した画家の孫娘から、いわくつきの傑作の修復を依頼された佐月は、描かれたパリの街並の下に別の絵が隠されていることに気づく・・・・。
表題作ほか、欧州帰りの若き佐月を描いた文庫書き下ろし「凍月」等全三編。
裏の裏をかく北森ワールドに酔う一冊。
さて今度の北森さんは、美術の世界です。
ストーリー展開としては、冬狐堂シリーズ・蓮丈シリーズと同じです。
扱うものが変わっているだけです。
全ての分野を冬狐堂の陶子(骨董)・蓮丈那智(民俗学)に任せてしまうわけには行かないので、絵画の世界のキャラクターを新設したってところでしょうか?
いずれにしても私にとっては、また新しい世界の登場は嬉しいことです♪
北森さんの研究熱心さには、本当に驚嘆します。
佐月は普段は花のアレンジを行う人気フラワーデザイナー(?)
そして、もう一つは神の手を持つ絵画修復師。
さて、どんなお話が展開されるでしょうか?
深淵のガランス ★★★★★
ガランスとは絵の具の赤い色のこと。 またそのチューブをいう。 とういことらしいです。
この作品は、北森さんの他著書でも時々名前の出てくる、大正期の洋画家村山槐多の詩から始まります。
ガランスは村山槐多の愛した色だそうです。
村山槐多についてちょっと調べました。
22歳の若さでスペイン風邪から肺炎を引き起こし夭折。
筆致は決して技巧的ではないが、情熱的な絵画を描き、血の色のような赤を好む。
なんでも鑑定団で槐多の絵が出たときは3,000万の値が付いたとのこと。
かなりエキセントリックなイメージです。
さて、この短編ですが、修復を依頼された絵画の下の塗りこめられた絵の謎を佐月が追う。という内容です。
なぜ、絵画の下に塗りこめなければならなかったのか?
なぜ、破壊せずに塗りこめたのか?
血色夢 ★★★★★
三編の中で一番の長編。
佐月は雫石で発見された洞窟絵画の修復を依頼される。
同時に、某絵画家の絵画の修復を依頼される。
この絵画、どうやら分割され、各分割されたパーツごとに不足した部分を書き足し、新たな絵画として複数存在しているらしい。
分割された他のパーツをめぐり繰り返される権謀術策。
う・・・・・、なんか盛り込みすぎ。。。。
洞窟絵画も、分割絵画も面白い題材なのですが、一緒にする必要があったのでしょうか?
別々の作品として書き直していただきたい!
切実にそう思いました。
どっちも面白いテーマなのに・・・・・。
凍月 ★★★★★
文庫化のために書き下ろされた作品とのことですが、これは良い
欧州帰りの若き佐月のお話です。
20数頁の短編ですが、こちらも「パークロード・冬」に隠された下の絵に潜む謎です。
隠した画家の心情と、絵画の飾られている喫茶店の女主人の佐月に寄せる淡い気持ち。
佐月の心情とどれも暖かさが感じられます。
と、いった三編です。
シリーズ物になりそうな予感がひしひしと。
この佐月の短編集にも、【女狐】という表現で名前は出てこないですが、陶子と思われる人物が出てきます。
出てくるといっても、文字だけですがね。
北森さんの著作は、それそれのお話で別のお話の人物が良く出てきます。
香菜里屋シリーズの工藤。
冬狐シリーズの陶子・硝子。
蓮丈シリーズの蓮丈那智・内藤三國。
どのシリーズも大好きだし、それぞれの人物も大好きな私としてはこういった連携は大歓迎でっす
他のシリーズと比較すると、どうしても絵画修復がテーマということで、贋作とかドロドロ感があります。
ちょっと心配な点かな?
でも、佐月なら大丈夫だよね~♪
短編集全体 ★★★★★
文春文庫 H21.3.10
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先日、ブログデザイン(カテゴリーをツリー化)の変更をしていました。
ちょっと、失敗して記事の前後関係が一部おかしくなってしまいました・・・・。
新カテゴリーに移行したとき、方法を間違えたようで過去の記事が4点、5月1日になってしまいました。。。。