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【表4より】
ぼくらを襲った事件はテレビのニュースよりもっとずっとどうしようもなくひどかった──。
ある日、学校で起きた陰惨な事件。
ぼくの幼なじみ、ふみちゃんはショックのあまり心を閉ざし、言葉を失った。
彼女のため、犯人に対してぼくだけにできることがある。
チャンスは一度だけ。
チャンスは本当に一度だけ。
これはぼくの闘いだ。
いや~。
辻村深月さん、凄い!!!!!
「冷たい校舎の時は止まる」・「子供たちは夜と遊ぶ」・「凍りのくじら」に続いて4冊目ですが、1作ごとに私の中の好きな作家ランキングが上がっていきます。
この「ぼくのメジャースプーン」ですが、「ぼく」の幼なじみの「ふみちゃん」、彼女は誰にでも優しく、いつも清く、来る物は拒まず、去るものは追わず。
「ぼく」と同じ4年生なんですが、他の4年生より少し早く大人になってしまった女の子。
「ぼく」はそんな「ふみちゃん」を尊敬していた。
そんな「ふみちゃん」がかわいがっていた、学校のうさぎがある朝、二十歳の医大生によって惨殺されてしまう。
それも、ネットで面白おかしく中継しながら・・・・・。
そしてその第一発見者は「ぼく」の変わりに早朝の、うさぎ当番に出かけた「ふみちゃん」だった。
「ふみちゃん」はショックでPTSDに陥り、外の世界から自分を隔離し、声も出せなくなってしまいます。
犯人はまもなく捕まりますが、その罪状は「器物破損」・・・・。
そんな時、「ぼく」には封印していた力があった。
その力は、「もし○○しなければ、○○になる」と対象となる人物に囁くと、それが現実のものとなる力だった。
さて、あなたならどうしますか?
①何もしないで忘れるように努力する。
復讐しても、元通りにはならない。
すごく悔しいし、悲しいけど、その感情に縛られてしまうこと自体が、
犯人に対して負けてしまうことだから。
相手にしないことが、唯一暴力に対抗できる方法だから。
②犯人と友達になる。
相手に対して復讐をすることは、相手の人生に対して責任を負うということ。
相手を知ったうえで、相手の人生に関わるかどうか判断する。
結果を出してからも、自分が相手にしたことに対する責任を負う。
最後まで、相手の人生に関わらなければならない。
③犯人を、うさぎと同じ目に遭わせる。
堂々と正面から小細工なしに仕返しに行く。
そのことで、どんな結果が自分に降りかかっても後悔しない。
本書のなかでは3つの考えがある時点で提示されます。
私は、この本を読んでいて、近々開始される裁判員制度のことを考えていました。
人が人を裁くってこと。
裁判の判決ってこれと同じような気がします。
有無を言わせず従わせる力ですものね・・・。
もし、そんなものに選ばれたら・・・・・。
この本はとっても重いテーマとどこまでも切ない気持ちを書いた本です。
でも、辻村さんのエンディングには、これまでひとつも救われないエンディングはありません。
この本も最後は、やっぱり辻村さんでした。
現在のところ文句なしの今年のNO.1です。
★★★★★
講談社文庫 H21.4.15
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さて、「南十字」HP完全リニューアルしました。
藍さんと遊んでいたら、ますます何のサイトか判らなくなりました~。
そして。
いよいよ、
こんどこそ
再開かな~?
私は、今度は本物だと思っていま~す