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気の赴くまま、無理せずノンビリ。  風に吹かれて、できる事を背伸びせず・・・。                                                                  本とネットゲームと戯言と・・・。                                                                            ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※                                                                             読書感想には【かなり】内容に触れているものがあります。 未読の方はご注意を・・・・。
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ahirutokamo.jpg【表4より】
引っ越してきたアパートで出会ったのは、悪魔めいた印象の長身の青年。
初対面だというのに、彼はいきなり「一緒に本屋を襲わないか」と持ちかけてきた。
彼の標的は──たった一冊の広辞苑!?
そんなおかしな話に乗る気などなかったのに、なぜか僕は決行の夜、モデルガンを手に書店の裏口に立ってしまったのだ!
注目の気鋭が放つ清冽な傑作。
第25回吉川英治文学新人賞受賞作。


今、のっている伊坂幸太郎さんです。
伊坂さんは、まだ2冊目なのですが、「終末のフール」が大変良かったのでこれから増えそうです。
改めて調べてみると、この方の受賞暦は凄いですね~。

1996年…第13回サントリーミステリー大賞佳作(『悪党たちが目にしみる』、大幅に改訂されて『陽気なギャングが地球を回す』として再出版)
2000年…第5回新潮ミステリー倶楽部賞(『オーデュボンの祈り』)
2004年…第25回吉川英治文学新人賞(『アヒルと鴨のコインロッカー』)
2004年…第57回日本推理作家協会賞短編部門(『死神の精度』)
2006年…平成17年度宮城県芸術選奨文芸部門
2008年…第5回本屋大賞、第21回山本周五郎賞、「このミステリーがすごい!」国内編1位(『ゴールデンスランバー』)
と、こんな感じです。

さて、当「あひると鴨のコインロッカー」です。
いきなり「一緒に本屋を襲おう」ですか~。
これは、村上春樹さんの「パン屋襲撃」を連想させますね~。

この本は、現在と2年前のが交互に書かれています。
書き出しの章は現在で、この現在の章は春から大学に入学した【僕(椎名)】の新生活を送るアパートから始まります。
【僕】は隣人の河崎(この人物実は・・・・)からいきなり「本屋を襲おう」と誘われるわけです。

2年前の章は、現在の【僕】のアパートに住むブータン人の恋人・琴美の視点で描かれています。
時間の相違を用いた叙述ミステリーかな?と警戒してしまいます。
この本は、登場人物の一人である麗子さんが作中で言うように、「琴美・ブータン人のドルジ・河崎」の三人の物語の最終章に居合わせてしまった【僕】が巻き込まれた事件です。

2年前の章では、琴美の視点で書かれているのですが、現在の章に琴美は出てきません。
河崎と【僕】が中心となり、ドルジは引きこもり、琴美は一度も姿を現さないのです。
【僕】は三人の悲しい物語の幕引きの見届け人として現れたのです。

いや~・・・。
結構きました・・・・。
もの凄く引き込まれます。
伊坂さんの文章力は凄いです。

ただのエンターテイメントだけではなく、あちらこちらに考えさせられる文章があります。
このところ、軽いもを続けて読んでいたので、尚更感じます。
そして、2年前の章に出てくる連続ペット殺し事件の犯人たち、怖いことは確かなのですが、その理不尽さが現代を象徴し、狂った現実味に怖気が立ちます。

【僕】は何を見つめ、そしてドルジはどこに行き着くのでしょうか?
転生し幸せに生きて欲しいと思いました。

★★★★★
創元推理文庫 H21.7.03
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