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気の赴くまま、無理せずノンビリ。  風に吹かれて、できる事を背伸びせず・・・。                                                                  本とネットゲームと戯言と・・・。                                                                            ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※                                                                             読書感想には【かなり】内容に触れているものがあります。 未読の方はご注意を・・・・。
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rurino.jpg【表4より】
魑魅魍魎が住まう骨董業界を生き抜く孤高の美人旗師・冬狐堂こと宇佐美陶子。
目利きの命である眼を患った彼女を食い物にしようと、同業者がわけありの品を持ち込む。
それは、不思議と何度も返品されてくる和人形だった── 「倣雛心中」。
他、表題作を含め全4編を収録した古美術ミステリーの人気シリーズ第二弾。


ま、まずい・・・。
忙しさにかまけ、読んだ本が溜まってきてしまってます・・・・

これも3週間ほど前に読んだ本です。

狐罠・狐闇・緋友禅に続く冬の狐シリーズ第4弾。

倣雛心中 ★★★★
目利きの命・眼を飛蚊症という眼病に見舞われる陶子。
その事実を知られることは骨董の世界での死を意味する。
「冬狐堂は眼を患った。」噂が業界を走る。
噂は真実か?
陶子の眼を確かめるために罠が仕掛けられる。それは・・・。
何度も返品される曰くつきの人形が陶子の元に他の骨董業者から委託販売に供された。
陶子は人形に潜む謎を解き明かし、生き残れるのか?という内容です。
なかなか面白かったです。
ミステリー部分に関しては「まぁ、そんなところだろうな。」と想像が付いてしまうので、純粋にミステリーとして読みたい方には物足りないかも知れません。
ただ、私としては面白かったです。
逃げることの許されない罠に立ち向かう陶子。
カッコイイです

苦い狐 ★★★★★
美大生時代の陶子の登場です。
美大生時代の陶子と同級生の杉本深苗を巡るお話。
杉本深苗は才能あふれる美大生。
深苗はあまりの才能ゆえに極度のスランプに陥ります。
そして、スランプを脱出し、「アーシル・ゴーキーがわかった」と新たな境地に立ちます。
そしてこれからという時に非業の死を遂げます。
陶子たち美大仲間は、深苗の追悼画集を有志による自費出版で発行するのですが、20年経った今になって復刻版が陶子の元に届けられる。
誰が? 何故?
さて、これまでの冬狐堂シリーズとは少し趣が変わっています。
このお話は、「誰が? 何故?」というミステリー部分は私にとってはあまり必要がない感じがしました。
もちろん、それが無ければ「冬狐堂・骨董ミステリーシリーズ」にならないので仕方ないのかもしれませんが。。。
冬狐堂シリーズの他の作品は「動」のイメージですが、この作品は「静」のイメージです。
ちょっと儚く静かに流れていきます。

瑠璃の契り ★★★★★
親友のフリーカメラマン・横尾硝子の恋物語?
ひょんなことから手に入れた「夏景色瑠璃切子碗」。
佐藤皓一作といわれるこの切子、全部で三つあるといわれるらしい。
陶子は、三つの切子制作で突然姿を消した佐藤皓一と、残り二つの切子を求めて駆け回ります。
そして、この切子には親友・硝子の切ない思いが絡んできます。
これも苦い狐同様に切なさが感じられるストーリーです。

黒髪のクピド ★★★★★
陶子のかつての夫であり恩師・プロフェッサーDが失踪した。
Dは大学教授であり、また人形研究家。
そのDから陶子はある人形を競り落として欲しいと頼まれる。
その人形とは不気味な生き人形だった。
ところがよくよく見てみると、人形の瞳孔が開いている!
Dはこの人形を受け取った直後に失踪したらしい。
陶子はDと人形の謎を追い事件に巻き込まれていく。
む・・・・、ちょいと私向きでない・・・・・
ちょっと怖いです。。。

短編集全体 ★★★★★
文春文庫 H18.1.10

この短編集はちょっと今までと雰囲気が変わってたかな?
苦い狐・瑠璃の契りの2作。
少し儚く・切ない物語。
こういうのスキです

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
戯言・・・・・
まだ忙しいのです・・・・。
でも、もうちょっとです。
あと2週間ぐらいかな?
んでも、結構いろいろ遊んでもいますww

まず、3/22。
イチゴ狩り~
雨.....
現地に行って中止.....
う。。。ど~せハウスじゃん!
狩らせろ~

んで、3/27~29で長野~。
 こんな天気でした~
ん~、長野恐るべし!
気温マイナス5℃ってww
やっぱり雪国の雪は東京と違うね~。
道路に落ちても溶けないもん。
雪がアスファルトの上を転がってました~。

FFTはまだ、忙しいのでもうちょっとしてからオープンが良いな~
出遅れるから~ww
相変わらずの自分勝手でっす。

 

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hiyuzen.jpg【表4より】
古物・骨董品を専門に扱う旗師・冬狐堂こと宇佐美陶子は、銀座の画廊で見たタペストリーに魅せられ、現金で全作品を買う約束をする。
しかし作者は死に、作品は消えていた・・・・・・。
騙しあいと駆け引きの骨董業界を行き抜く美貌の一匹狼を描く古美術ミステリー。
表題作他「陶鬼」「『永久笑み』の少女」「奇縁円空」の三編を収録。


冬狐堂シリーズです。
冬狐堂シリーズでは始めて読む短編です。
本来短編集はあまりスキではなかったのですが、蓮丈シリーズで短編にも目が向くようになりました。
て、ことで第3弾!

陶鬼 ★★★★★
陶子の古い知り合いの骨董業者・弦海が名器秋霜を割り自殺を遂げる。
弦海の自殺の真相を陶子が追う。
ってことです。
人間国宝に指定された久賀秋霜の名器を何故、弦海は割ったのか?
事件は割ったことの謝罪としての自殺と位置づけられますが、そこに隠された真実。
ちょっと切ないような秋霜と弦海の思いと過去。
そこに絡んでくる一人の女性。
なかなか読み応えがあります。

『永久笑み』の少女 ★★★★★
ちょっと変わった始まり方をします。
陶子がある作家にファンレターを書くという出だしだす。
はい。 罠ですね~ww
ちょっと印象が薄いです・・・・。
描写は美しかったですね~。
古墳から出土した埴輪を預けられ(堀師と呼ばれる盗掘(?)者から)、その埴輪に潜む謎を追う。ってとこかな?

緋友禅 ★★★★★
内容は表4に若干書いてありますが、その後届かない品物を確認するため訪ねた作者の部屋で、タペストリー作者は死んでいた・・・・。
その陶子が買い取ったはずのタペストリーは、友禅染として別の者によって発表された。
この染め技法は、高度な技法を再現したもので、この技法はかなり興味深く書かれていました。
ただ、この作品では死んだ元作者は事故死です。
殺人の犯人を追跡するという内容ではありません。
友禅染として発表したものが盗んだものは、名声です。

奇縁円空 ★★★★★
これは大好きな作品です♪
生涯で12万体の仏像を彫ったとされる円空についての考察が面白い。
円空の生涯は64年だったそうです。
単純に64で割ったとして、年間1875体。 一日5体強
可能なのでしょうか?
ということから、
陶子は円空複数説(円空は個人名ではなく造仏集団であったという考察をします。
それは一級の真贋判定の目を持つ専門家すら判断が出来ないような贋作を再現する人物が、現代に蘇ったことで加速する。
面白かったです♪

短編集全体 ★★★★
文春文庫 H18.1.10

面白かった~
でもね~、やっぱ陶子シリーズと蓮丈シリーズは、長編で読みたいのです。
それだけ深く突っ込まないと書けない内容ですから大変だと思いますが、期待でっす。

 



syaraku.jpg【表4より】
歴史に不滅の名を刻みつつも、いまだヴェールに厚く覆われたままの東洲斎写楽。
蓮丈那智は、古文書の調査に訪れたはずの四国で、その浮世絵の知られざる秘密へ足を踏み入れることに(表題作)。
憑代、湖底遺跡、奇妙な祭祀。
異端の民俗学者は、堆積する時代に埋没してしまった死者の囁きに、今日も耳を傾け続ける──。
あなたの知らぬもう一つのニッポンを描く、本格ミステリー集。



北森さんですww
蓮丈那智フィールドファイルⅢです。
だって、面白いんだもん 
これで、陶子シリーズ×2⇒那智シリーズ×2⇒香菜里屋シリーズ×1⇒那智×1の6冊連続でっす!

香菜里シリーズも面白かったのですが、やはり私には陶子&那智です。
香菜里屋シリーズの「花の下にて春死なむ」はシリーズ第一作なのでまだ、こなれてないのかな?とは思いますが、暫く遠慮しておきます。

さて今回のフィールドファイルⅢは、
憑代忌」・「湖底祀」・「棄神祭」・「写楽・考」の4編収録になります。
これだけの物(陶子シリーズを含め)を書かれていらっしゃるので、北森さんの歴史に対する造詣の深さは相当なものだろうと感じていましたが、この4編でそれが更に広がったように感じました。

陶子シリーズ及びフィールドファイルⅡまでは、山人伝説と青銅文化から製鉄文化への移り変わりがかなりの書の中で中心としてかかれておりましたが、ここにきて更に懐が広がったと感じました。

北森氏曰く、「量産できるものではない。」
そのとおりだと思います。
これだけ素人の私ですが、読んでいて納得する考察を展開されるのですから、相当量な研究をされないと書けない分野と思います。
更に、懐が広がることを切望していま~す。

さて、
憑代忌 ★★★★★
この1作はイマイチだったかな・・・・・。
那智の所属する東敬大学の都市伝説。
「零号教場の前で写真をとると重要単位を落とす。」という伝説の変容。
生まれ変わった伝説は、零号教場の前でミクニくんの写真を撮る。といったものww
しかしお守りのはずのミクニくんの写真は、水車に貼り付けられたり、枝の先にさされていたり・・・・。
・・・・そうです! 身代わりです。
そんなさなか、出かけたフィールドワークのお守り様人形。
ちょっと強引だったかな?
あと民俗学的考察も今までに比較すると・・・・。
湖底祀 ★★★★★
これは良い♪
湖底から発見された鳥居。
鳥居を調査していく中で語られる鳥居の考察が大変面白い。
私などは、鳥居=門と漠然と思っていました。
「ここからは、神聖な神域である境内だよ。」と思っておりました。
さて、ココからです。
神域と俗世の境界としての鳥居とは?
二つの世界の境界を互いに安易な侵入から守るものが道祖神(賽の神とも言うそうです)。
これは神話の時代、伊邪那岐命が伊邪那美命を慕い、黄泉の国を訪れ禁忌を犯し逃げ帰ったとき黄泉の国との境として千引石(ちびきのいは)で守り塞いだわけですが、これが賽の神というわけですね。
で、賽の神としての鳥居。
だから鳥居の向こうにある社殿は神界の建物のように美しい。
さらには驚愕の結論(蓮丈民族学としての)。
鳥居は鳥居そのものが主であり、その向こうにある社は主たる鳥居を守るための付属物である。
いや~。 参った。。。。。
棄神祭★★★★★
このお話は、「殺されるために生まれた神」についての考察。
五穀の起源についてちょっと。
古事記(今、勉強中です・・・)においては、須佐之男命が大宣津比賣(オホゲツヒメ)神を殺害し、また書紀においては月夜見尊が保食(ウケモチ)神を殺害しその死体から、また別の書では稚産霊(ワクムスヒ)の身体から作物が発生したとされています。
今まで読んできた北森さんの作品は、書紀からの考察が多いようです。
この殺されための神も保食神でした。
棄神祭はこの説話をにある旧家に伝わる祭祀と過去の犯罪を那智が解明するのです。
そして・・・・、これまで含みを持たせ謎としてきた教務課の狐目の正体が、明らかになりつつあります。
その正体に期待を抱きつつ、最後の短編へ!
写楽・考★★★★
このお話の中では、私の大好きなミクニくんがシャーロック・ホームズになりますっ!
とういか、なったつもりになりますww
師・蓮丈那智にかかる容疑をはらすために頑張っちゃいます!
そして、そして宇佐美陶子も出場しま~す♪
さてさて、このお話ですが、なかなか肝心の写楽が出てきません。
事件が解決しても出てきません。
解決後に出てくるんですね~。
北森さん、うまいな~。
中盤でフェルメールは出てくるんですよ。
このまだ世に出ていないフェルメールを巡って事件がおき、那智に容疑がかかるんです。
容疑の元になった、学会関係の雑誌の論文。
この著者の名前が式直男。
「誰だ~! 式直男って! こんな論理蓮杖先生しか書けない~!」ってミクニくんは思うんですよね。
で、本物の式直男が失踪する(殺される)。
で、当然那智に疑惑がかかる。
で、ミクニくんが容疑を晴らすために頑張っちゃうんですよね~。
ところがミクニくんの頑張りでほぼ容疑は晴れるのですが、その推理に対し那智がつけた評価は”Cマイナス”。
でも、ミクニくんの頑張りは那智先生も判ってるよ!
頑張ってね。 ミクニくん
で、問題の狐目。
完全に正体を読者に開示しました。
今後の展開が楽しみでっす♪

短編集全体★★★★
新潮文庫 H20.02.01
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


さて、本編にちょっと書いたのですが、現在古事記を勉強しています。
以前も一度挑戦したことがあるのですが、その時は挫けました・・・・
また性懲りもなく始めたのは、もちろん北森さん&那智&陶子の影響です。
今回は本からではなく、ネットでいろいろ調べています。
これが面白い!!
まだ大國主神への国譲りですが、今回は最後までいけるかな~?
古事記が終ったら、書紀も頑張りたいな~。



hananomoto.jpg【表4より】
年老いた俳人・片岡草魚が、自分の部屋でひっそりと死んだ。
その窓辺に咲いた季節lはずれの桜が、さらなる事件の真相を語る表題作を始め、気の利いたビアバー『香菜里屋』のマスター・工藤が謎と人生の悲哀を解き明かす全六編の連作ミステリー。
第52回日本推理作家協会賞短編および連作短編集部門受賞作。
 

はい。 北森鴻さん、嵌っております。
今回は、陶子シリーズ・蓮丈那智シリーズに続いて、香菜里屋シリーズです。

まずこの短編集の表題になっている、「花の下にて春死なむ」ですが、ご存知の方が多いとおもいますが、西行法師の有名な歌
願わくは 花の下にて春死なむ そのきさらぎの望月のころ
からきているわけです。

わたしもこの歌に関しては、聞いたことがある程度でしたので少し調べてみました。
西行が死を前にして歌ったものと思っていたのですが、どうやら少し違うようですね・・・・。
おそらく60を越え、遠くない自分の死を見つめ、このような情景を希求し表現されたようです。

さて、西行の当時、花といえば桜ではなく、梅なのでは?
この表題とカバーの絵はなんじゃろ?と、漠然と思っていましたが、調べると私の知識の浅さを思い知りました。
西行が亡くなられたのは、1190年だそうです。
イイクニ作ろう鎌倉幕府ですから・・・・。
平安末期になるわけですね。
宮中南庭の梅が桜に植え替えられたのが、遅くとも961年だそうです。
したがって、この西行の花=桜で良いわけですね~。

如月の望月の頃・・・・如月だから2月・・・・旧暦だから桜でいいのかな?と思っていたわけですが解決しました。
望月とは満月のこと。
2月の満月ということで、如月の望月の頃=2/15頃
2/15といえば、涅槃会(釈尊が涅槃に入られた日=亡くなられた日)
西行法師が亡くなられたのが2/16だそうです。
もちろん全て旧暦です。
いや~、勉強になった♪

・・・・・・・・、やたら前フリが長くなってしまいました。
さて、本編についてです。

花の下にて春死なむ ★★★★
ある事件をきっかけに、故郷山口・長府を離れ、名を捨て戸籍を持たない男・片岡草魚の悲しい物語です。
自由律の結社を通じ心を通わせた飯島七緒は、故郷に思いを馳せ、しかし帰ることの出来ない草魚の死後、草魚の故郷を探し、その身体に入っていた骨折をつなぐ器具を故郷に返そうとする。
その中で知った草魚の悲しい過去・・・。
家族写真 ★★★★
地下鉄の構内の無料貸し出し文庫から見つかった家族写真。その真意は?
むむむ・・・・・・、これは・・・・・・・・・。
終の棲家 ★★★★★
多摩川の河川敷を終の棲家とした老夫婦と、その写真で脚光を浴びた写真家の交流。
殺人者の赤い手 ★★★★★
都市伝説? ホラー? 警官が殺人者?
なんだ! この結末は!
七皿は多すぎる ★★★★
回転寿司でマグロばかり7皿も食べる男の行動の謎解きww
だめだよ・・・・、こんなの収録しちゃ・・・・。
魚の交わり ★★★★★
「花の下にて春死なむ」の番外編。
悲しい男・草魚と、悲しい車椅子の女の悲しい物語。

以上の6編からなる短編集です。
全ての物語に三軒茶屋のビアバー香菜里屋のマスター工藤が謎解きに絡んできます。
マスター、そんなに簡単になんで分かるの?って部分は有りますが、私はミステリーの謎解き部分にはあまり拘らないので良しですww
このシリーズの良いところはそこじゃないですもんね。

工藤の作る料理、食べた~い

短編集全体★★★★★
講談社文庫 H13.12.15
 



syokusinbutu.jpg【表4より】
”即身仏”に秘められた、大いなる悲劇とは?
本格民族ミステリ、第2弾。
≪わが村には特殊な道祖神が祀られている。≫
美貌の民俗学者・蓮丈那智のもとに届いた手紙。
神すなわち即身仏なのだという。
彼女はさっそく助手の内藤三國と調査に赴く。
だが調査を終えた後、手紙の差出人が失踪してしまった──。
那智はいにしえの悲劇の封印を解き、現代の事件を解決する。(表題作)
山人伝説、大黒天、三種の神器、密閉された昏い記憶。
本格民俗学ミステリ集。

またまた、北森鴻さんです。
これで4冊連続となりました。

今回も、秘供養・大黒闇・死満瓊・蝕身仏・御蔭講の5編を収録する短編集です。
シリーズ1作目と比較して、こなれてきています。
とても面白かったです。

ただ欲を言えば【私としては】ですが、失踪事件とか殺人事件などといった、現代の現実の事件は無い方が良いな~。
だって、民俗学の部分の疑問の提起と謎解きが、無茶苦茶面白いのです。
もっとも、民俗学も歴史学を勉強したことの無い私なので、ちゃんと勉強された方にとっては、「今更、何を・・・」とか「ばかばかしい・・・」というのかもしれませんが・・・・。
歴史の教科書以外の部分の日本の歴史の面白さを教えてくれます。

神話・伝承・民話・童謡などの中に隠された真実というものは、しばしば耳にすることですが、例えば今回の短編集には有りませんが、童謡の「かごめかごめ」などは有名な怖い話がありますよね。

秘供養
は、ちょっとタブーとされてきた問題に対して書いております。
五百羅漢にまつわるかなり怖いお話です。
大黒闇は神々の変貌についてのお話。
大黒天は元々ヒンズー教のマハーカーラが仏教に取り入れられ、本来のマハーカーラの持つ意味合いが変貌した姿です。
マハーカーラは、ヒンズーの戦いの神シヴァの夜の顔だそうです。
大いなる暗黒の破壊神はどのようにして、大黒天に変貌したのか?
ちょっと某カルト教団を意識しすぎ?
死満瓊は海幸彦と山幸彦のお話。
これは三國さんが可愛い~♪
いやいや、民族ミステリー部分も読み応えありますよww
蝕身仏は表題になっているお話ですが、
これも怖いですね・・・。
冒頭の書出し。 ここだけ読むとホラーです。
御蔭講は真説・わらしべ長者伝説といった感じです。
三國クン大活躍(?)です。

総じて感じたことですが、私は歴史の分野が好きで、いろいろ本(小説ではなく)も読んだりしているのですが、先ほども書かせていただいたように、神話・伝承・民話・童謡などの中には隠させた真実が多分かなりあるのでしょうね~。
なんか人間の業というか、普段気にしていなかった物に本当の意味があるんだろうなと思うと、自分の浅はかさと愚かさに薄ら寒くなる気がします。

★★★★


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