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先日の【誰か Somebody】についての、追記です。
何が私にとって、ダメだったか、少し掘り下げます。
ただし、ここからはストーリーに触れますので、未読の方で、今後予定に入れている方は、飛ばしてください。
事故死をした、梶田信夫の残された二人の娘、聡美と梨子の姉妹は、父(信夫)の
自転車で跳ねられ、歩道に頭を打ち死亡したという事故の加害者が不明という事態の打開のため、
父の半生を本にし、加害者に訴えようとする。
杉村三郎は、梶田信夫の人生を調べる中で、二人の年の離れた姉妹の生まれた背景を知る。
また、梶田の前半生が謎に包まれていることを知る。
姉・聡美は、梶田夫妻の暗い時代に生まれた長女。
妹・梨子は、生活も安定した時代に生まれた、期待の一番星。
梶田の謎の部分は、元同僚の殺人事件の背景に同情し、死体を埋めたこと。
ただ、この隠されていた部分は、ミステリーとしての本書のミステリー部分ではありません。
姉・聡美は、暗い背景を背負い成長したため、何かにつけ慎重で臆病。
妹・梨子は、奔放で快活。
聡美は結婚がきまり、これからの人生に踏み出そうとしている矢先に、父を喪う。
この事故のため(犯人がされず、喪の開けない)、結婚に踏み切れない。
また、梨子も時期が悪いと言う。
結局梶田の半生記を調べるうちに、加害者(少年)は、警察に出頭し解決します。
この事故についても、本書のミステリーとしての核心ではありません。
杉村は姉妹との付き合いの中から、ある事実に気が付く。
それは、妹・梨子と姉・聡美の婚約者の不倫・・・・・。
そして、その事実に気が付いている姉・聡美・・・・。
そのために、姉の結婚の延期を主張する妹。
表面では、お互いに思いやりのある、良い姉妹。
これが本書のミステリー部分です。
救いが・・・・、希望が・・・・、未来が・・・・・、感じられません・・・・・。
落ち込みです・・・。