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【表4より】
姉の体の上に息荒くのしかかる「アレ」に手を下した瞬間から、僕の人生の歯車は大きく狂い始めた。
施設に収容され、理不尽な仕事でこき使われ、刻印された黒い染み(ラス・マンチャス)に翻弄される切なくも数奇な運命。
ついに流れ着いた山荘で見た衝撃のものとは・・・・・。
無垢な魂がさまようカフカ的幻想世界を、圧倒的なマジックリアリズムで描く異形のビルドゥングスロマン。
第16回日本ファンタジーノベル大賞、大賞受賞作。
う・・・・・・・・・・・・・、なんと表現すれば良いのでしょうか?
まず、【ファンタジー】って何なのでしょうか?
大辞林によると・・・・・・
①空想、幻想、夢
②形式にとらわれず作者の自由な幻想によって作り上げられた曲。幻想曲。
③幻想的・夢幻的な文学世界。
むむ・・・・、ってことは確かにこの作品は「ファンタジー」で良いのですね~。
私のイメージとしては、美しく不の方向ではない夢幻世界という捕らえ方をしていたのですが、どっちも有りなのですね。
で、この「ラス・マンチャス通信」。
とにかく印象は、【凄い!】です。
なんか、訳がわかりません。
分類としてはかなり、私のキライな分類のハズです。
ハズなんだけど、なぜか強く惹かれます。
【表4】にはカフカ的と表現していますが、私は村上春樹的と感じました。
村上春樹、好きだからかな?
この本も結構、何故だか好きです。
とにかく異常な世界です。
書出しを引用します。
陸魚はアレの一番お気に入りのおもちゃだった。
この動物は見かけこそほとんど魚と変わらないが、水に入れてしまえば死んでしまう。
胸鰭のように見えるものを使って陸の上をのろのろと進むのだが、その歩みがあまりにのろいものだから、うっかりしていると踏みつけてしまう。
なにしろ、家の中いたるところを這いまわっているのだ。
という書出しです。
訳わかりません。。。。
しかも気持ち悪いです。
全編気持ち悪いです。。。。。
なんで、この本に惹かれるのだろう?
判りません。。。。。
変な気持ちの悪いものがいっぱい出てきます。
「陸魚」に始まって「アレ」、「次のヤツ(蜘蛛の妖怪のようなもの?)」・「鬼」・「人間植物?」など等。
しかし一番気持ちの悪いのは登場する人間です。
レストランの店長(なに?コイツ)、「イナガワさん」(最悪・・・)、小嶋さん、父。もう最悪スギです。。。。
一番まともなのが主人公じゃ???
最初の方はあまりのマトモじゃない展開に、まったくページが進みませんでした。
「あちゃ、また、やっちゃった~。 変なの買ってしまった・・・・」と思っていたのですが、頁が進むうちに止まらなくなってしまいました。
とにかく、不可解な一冊!
平山瑞穂さんは【忘れないと誓ったぼくがいた】を最初に読んで、これが2冊目なのですが、忘れない・・・はスイスイ読めてフツーに楽しい本でした。
ラスマンはその対極でした。
反対に読んでいたら、忘れない・・・は読んだのでしょうか?
やっぱり、最初に読む本って大事と思ったのでした。
んで、佐藤友哉さんや道尾秀介さんももう一冊読もうかな?と思った次第でした。
★★★★★(気になる度)
角川文庫 H20.8.25
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ネットゲームのこと
何か書こうと思っていたのですが、見事忘れました・・・・・・。
また今度~
【表4】より
大好きなのに、いつまでも一緒にいたいと思ったのに、ぼくの心を一瞬で奪った君は<消えてしまった>。
君の存在を証明するのはたった数分のビデオテープだけ。
それが無ければ、君の顔さえ思い出せない。
世界中の人が忘れても、ぼくだけは忘れないと誓ったのに──。
避けられない運命に向かって必死にもがくふたり。
日本ファンタジーノベル大賞受賞作家による、切ない恋の物語。
日本ファンタジーノベル大賞──昨年で21回催されているようです。
大賞受賞作家さん、誰も読んでいませんでした。。。。
平山瑞穂さん──1968年生まれの男性。ラス・マンチャス通信で第16回(2004年)の大賞受賞者だそうです。
率直にいうと「ありがち+アルファ」って感じでしょうか?
でもキライじゃないです。
むしろ好きです。
規定路線の安心感って言うのでしょうか?
途中まで読んだ段階では、1冊の本にする必要があったのだろうか?
短編で良いのでは?
なんて思っていましたが、やはりこのボリュームは必要だったんですね。
でも、文体が平易で簡単にサクサク読めてしまいます。
う~ん・・・・・。
内容に触れて良いのだろうか?
【表4】で書かれている以上の内容に触れるのはご法度の本かもしれません。
【ぼく】はどこにでもいるような、ごくごく平均的な受験を控えた高校生。
【ぼく】は高3の夏、メガネ屋で一人の美しい少女に出会う。
そしてフツーに恋に落ちます。
ところが、なぜか彼女の印象が薄い・・・・。
希薄なんです。
セカチュー的雰囲気がプンプンする展開の中で、ちょっとセカチューと違うぞ? なんだろ?
と思って読んでいると・・・・・・・・。
やっぱ、書かないww
最後はどうなるんだろ?
私の考えでは、
①消えた彼女に10年後とか、長い時間の経過後再び遭遇する。
しかも、姿形が変わっているのにお互い気づく。
②彼女とともに、彼女に関する自分の記憶も全て消える。
どこかにひっかかりがあるも、新しい日を生きてゆく。
③【ぼく】は、彼女のことを忘れずに生活していくうちに、ふいに「ピープル・アー・ストレンジ」の携帯着メロが鳴り響く
③を期待して読んでいました~。
どれもはずれ~ww
最後は書きませんが、かなり切ないです
これまでのこのテの本は、<消えていく>謎を究明したり、それを防いだりといったものが多かった気がするのですが、この本は運命として受け入れます。
その点、「ありがち」ではなく「+アルファ」になって斬新な印象は受けるのですが、やはり「ありがち」にならなかった分、切なさが募ります。
どっちが良かったんでしょうか?
そして、タイトルが良いのです。
忘れないと誓った僕がいた
【いた】過去形なのです。
ここに集約されていたのですね~
いずれにしても、かなり良かったです
★★★★★
新潮文庫 H20.08.01